脳卒中

脳卒中は、以前は日本人の死因の第1位でしたが、現在は「悪性新生物」「心疾患」「肺炎」に次ぐ第4位で亡くなる人は少なくなっています。しかし後遺症による障害のため要介護人口が増え、介護の担い手不足、老老介護、医療費増大など世界一の高齢化が進む我が国にとって大きな社会問題となっています。岩手県は脳卒中死亡率がH22年は男女とも全国1位、H27年は男3位、女1位であり、脳卒中はまさに県民病といってもよい疾患です。

当院では脳神経外科と神経内科で脳神経センターを構成し、専用PHSで救急隊や紹介医療機関からの電話を直接受け入れ、365日、24時間体制で脳卒中に対応しています。年に600~700人が入院しており盛岡医療圏の脳卒中患者の半数を当センターで診療しています。脳卒中は虚血(脳梗塞)と出血(脳内出血、くも膜下出血)とに大別され、主として虚血は神経内科、出血は脳神経外科で加療しますが、両科の垣根をなくし、協力しながら患者さんに必要な医療を必要な時に提供できる体制を整えています。脳血管内治療専門医が4名(脳外科2名、神経内科2名)おり、脳梗塞急性期の血栓回収療法、ステント治療、脳動脈瘤や動静脈奇形のコイル塞栓術などの血管内治療に24時間対応しています。

【脳梗塞急性期治療】

• t-PA治療

t-PAによる超急性期血栓溶解療法は年間40例以上に行われており、東北でも有数の症例数となっています。発症4.5時間以内に開始する必要があり、県土の広大な岩手県は全国でも施行率が非常に低いのですが、当院では導入当初から積極的に行っており、常に全国平均以上の施行率となっています。また発症時刻不明症例に対するt-PAの有効性を見る治験(THAWS試験)にも岩手県内で唯一参加しており、起床時発症などの従来であれば適応外とされた症例にも当院では治療のチャンスがあります。

• 血栓回収療法

t-PA適応外(発症4.5時間以降、抗凝固療法中、血小板数10万以下など)症例やt-PA無効例などには急性期の血栓回収療法も積極的に行っています。他の基幹病院搬送後に紹介となる例も数多く受け入れており、年間40例以上は東北でもトップレベルの症例数です。

【脳梗塞慢性期治療】

内頚動脈狭窄に対する治療としては血栓内膜剥離術と頸動脈ステント留置術がありますが、個々の症例に合わせ治療選択を行っています。頸動脈ステント留置に関しては、現在では脳神経外科の協力のもと神経内科で行っています。

【脳動脈瘤治療】

脳動脈瘤の治療には開頭クリッピングとコイル塞栓術の2つの治療法がありますが、それぞれ一長一短があり、個々の症例に対しどちらか適する治療を選択できるのが当院の特徴です。当院は全国的にみても脳動脈治療の多い施設ですが、血管内治療専門医が増えたこともありコイル塞栓術の比重が増してきており、クリッピング術20-30例、コイル塞栓術70-80例程度の年間施行数となっています。

【脳梗塞原因精査】

神経内科医が頸動脈エコー、経食道心エコー、下肢静脈エコーなどを行い積極的な塞栓源検索をしています。さらに塞栓源不明の潜因性脳梗塞に対しては、発作性心房細動発見のために植え込み型心臓モニタの植え込みも自科で行っています。

【地域医療連携】

入院直後からケアマネージャーなどの介護部門との連携を取り合い、情報共有を行っています。医療圏内9か所の回復期リハビリテーション医療機関との間で地域連携クリティカルパスに基づく診療計画作成を行い、スムーズな連携に努めています。

【再発予防】

岩手県が脳卒中死亡率全国ワーストであったことを受け、岩手県では「岩手県脳卒中予防県民会議」が設立され、県を挙げてのキャンペーンが行われています。  高血圧、脂質異常症、糖尿病、不整脈、喫煙などの脳卒中リスクに関し、二次予防のみならず一次予防の段階から地域医療機関との顔の見える連携を図ります。

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