中央手術部とは

-年間5,000件超の手術を支えるエキスパート集団-

「手術中の患者さんを安全に管理するためのモニター」は急激な進歩を遂げています。経皮的酸素飽和度計、呼気炭酸ガスモニター、麻酔深度を計るBISモニターに加えて、各種エコーや内視鏡の進歩により、多くの生体内の情報がリアルタイムで得られるようになり、手術中の患者さんの安全性は向上しています。 

多くの診療科で様々な手術が行われていますが、最近は内視鏡手術が増加傾向です。傷が小さく、術後痛も少なく、入院期間も短くなるというメリットがあります。 

また、心・血管X線撮影装置と手術台を組み合わせたハイブリッド手術室が20214月に完成し、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)や、大血管・脳血管に対する血管内治療もほぼ毎日行われています。 

安全のためのモニターの進歩、医療機器の性能向上に加えて、診療技術の進歩が相まって、手術患者さんの負担軽減や入院期間の短縮、手術成績の向上につながっています。 

外科医、麻酔科医、看護師に加えて、上記の精密機器を管理する臨床工学技士、放射線技師、手術室で使用する薬剤を管理する薬剤師、手術室を効率よく使用するための片付けや準備を行う看護補助者、適切な医療事務を行うための医療クラークなど、多くの専門職が力を合わせています。 

中央手術部は、手術する場所だけを提供しているのではありません。様々な分野のエキスパートが連携し、患者さんの手術の成功と安全確保、患者さんのQOLの向上を目指しています。手術室は患者さんにとって重要な場所です。手術室にいる医療従事者が患者さんのために最大のパフォーマンスを発揮できる働きやすい環境を作り出すために、関係者すべてが一丸となって昼夜努力を重ねています。

 

手術室の概要

現在、手術室は12室、年間平均約5,600件の手術が行われています。そのうち約8割(4,500例)が麻酔科管理症例(全身麻酔・硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔)です。

麻酔科管理で行われる手術症例は、24時間365日、予定手術・緊急手術を問わず、現在12名の麻酔科認定医以上の資格を持つ麻酔科医が麻酔管理を行っています。

2020年コロナ禍における緊急事態宣言下では、待機可能な手術に対して一時、手術制限を行いましたが、20212月以降、通常通り(12室)の手術室運営を行っています。

20214月にはハイブリッド手術室が完成し、患者さんの負担が少ない高度で最新の血管内治療も始まりました。

手術患者さんにとって最も良い結果が得られるように、それぞれの専門職が力を合わせています。

 

麻酔科医の役割

手術の進行状況はもちろん、心電図、血圧計、経皮的酸素飽和度計、呼気炭酸ガスモニター、BISモニターなどから得られる手術患者さんの情報を読み取り、適切な呼吸循環管理と鎮痛管理を行いながら、手術終了まで安全に管理するのが麻酔科医の役割です。

 

麻酔科医による体表エコー、経食道エコーなどによって安全な中心静脈穿刺、術後疼痛軽減のための末梢神経ブロック、心臓手術の評価なども行われています。

 

また、手術中のみならず術後1日も早く回復できるように、痛みの軽減をお手伝いすることも麻酔科医の重要な仕事のひとつです。硬膜外鎮痛や経静脈的自己調節鎮痛法(IV-PCA)、エコーガイド下末梢神経ブロックなどの技術を駆使しながら、安全で快適な周術期管理も目指しています。

 

麻酔科医は痛みをとる専門家であると同時に、患者さんの安全管理に最も精通した専門家でもあります。

 

手術準備外来

患者さんが安心して手術に臨めるように20179月から「手術準備外来」をはじめました

(開設当初は周術期外来、のちに手術準備外来に改称)。同じ手術を受けるにしてもひとり一人の患者さんが置かれている状況は様々です。

 

例えば、血液凝固に影響する薬を飲んでいる方は、手術前に一定期間の休薬が必要な場合がありますし、手術に向けて注射薬に変更が必要な場合もあります。また入院前から口腔内の処置(医科歯科連携)、禁煙指導や呼吸訓練は、手術後の合併症予防に効果があります。

入院前からひとり一人の患者さんの情報収集と対策や処置を行うことで、より安全な手術が可能になります。

 

多くの患者さんは手術を控えて様々な不安を抱えています。

麻酔科医、手術室看護師、薬剤師、歯科医師、クラークなど多職種でチームを組んで患者さんの情報収集をするとともに、最も適した麻酔方法を選択し、患者さんにわかりやすい説明をして、手術前の不安軽減に努めています。

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