岩手県立中央病院

感染管理部とは

　感染管理部は、患者さんだけでなく、患者さんの家族やお見舞いの方々、病院職員、研修学生など病院に出入りするすべての人々を感染から守り、質の高い医療を提供するための活動をする部門です。

1.当院の院内感染対策に係る取り組みについて

　当院では、感染管理部を中心に院内感染予防対策を実施しています。

　各部門の代表者からなる感染管理部を運営する委員会が、院内の感染を監視し、職員に感染対策を啓発しています。

　さらに、地域の医療機関と連携し、お互いに赴いてのラウンド・意見交換により、院内感染対策の向上を目指しています。

　また、病院には体力や免疫力の低下した患者さんが多数入院しておりますので、全ての職員はもちろんのこと、患者さん・ご家族参加型の院内感染対策を実施しています。

2.運営体制

　感染管理部には、感染対策や感染管理の経験を積んだ医師2名、看護師、薬剤師、検査技師、事務職員それぞれ1名が在籍しています。
　また、様々な職種や部門との連携が必要であることから、院内各部門・部署の代表や肝炎・HIVなどの特殊な感染性疾患の専門医を加えた合計26名の委員からなる委員会を定期的に開催して活動の充実を図っています。

(1)活動目標

• 多剤耐性菌等の発生と伝幡を抑える
• 抗菌薬の適正治療を推進する
• 医療関係感染症の発生を抑える
• 職業感染症を防止する
• 感染対策の地域支援を積極的に行う
• 職員への教育と啓発を行う

(2)具体的な活動内容

• 感染症対策や感染症治療に関する手順書(マニュアル)を作成して、その内容を院内各所に周知しています。
• 感染症や多剤耐性菌等の発生状況を常時監視して、流行を察知した場合には早急に対応し、感染が拡大しないように努めております。
• 感染症対策や感染症治療に関する相談を、院内各所から受けています。
• 各部門、部署で感染対策が充分に行われているかを頻繁に各部署、部門に赴いて確認しています。
• 感染症患者に対する抗菌薬の使用方法が適切になるよう、各診療科と協議を進めながら診療に参加しています。
• 感染に係る様々なデータを集めています。当院のデータだけだと当院の成績の良し悪しがわかりませんので、全国で展開しているデータ集積事業に参加して、日本中の病院とデータを比較して弱点を見つけ出し、是正するよう取り組んでいます。
• 職員が感染症にならないような(感染症の方々からうつされないような)管理体制を構築し実行しています。
• 感染症に関わる様々な事項をテーマにした研修会を定期的に開催し、職員の知識の向上や確認の一助としています。
• 患者さんやそのご家族の皆様が感染対策を実行していただけるような手順、ツールやポスターなどを作成し活用しています。
• 感染症は1つの病院に留まらず、地域単位で蔓延する場合もあります。また、意見交換により個々の病院の感染対策が向上することもあります。そこで、同じ地域の他の病院と連携して感染症の実態を把握し、その対応を共有し実行することで、地域全体の感染対策の充実を目指しています。

4.病院からのご面会される皆さまへのお願い

患者さんだけでなく、ご家族やお見舞いの方々、そして病院職員を感染症から守るために以下のことを実行してくださるようお願いいたします。
　特に抵抗力のない患者さんが感染症になると命に関わることもあるので、厳守してくださるよう重ねてお願いいたします。

●以下の症状がある方の面会はできません

• 熱がある
• 咳
• 鼻水

※小さなお子様を連れての面会も原則できませんのでご注意ください。
※インフルエンザなど感染症の流行期においては、面会を全面的にお断りすることがあります。特に面会を希望される場合には、職員にお問合せください。

●手指衛生(手洗い)励行のお願い
　手指衛生は、最も簡単にできて、最も確実な感染対策です。面会の皆様には以下のタイミングでの手指衛生の実行をお願いいたします。

• 病室に入る前(患者さんに触れる前)
• 病室から出た後(患者さんに触れた後、患者さんの周りの物に触れた後)
• 誤って患者さんの血液や体液、皮膚の傷などに触れた場合

※手指衛生は病室前に備え付けてあるアルコールの入った消毒剤で行ってください。
※手が目に見えて汚れている場合には、水と石鹸で手を洗ってください。手洗いの場所は職員にご確認ください。
入院患者さんを感染症から守るための対策です。ご理解とご協力をお願いいたします。