病理診断科

スタッフの紹介

氏名 小野 貞英(おの さだひで)
役職名 参与、病理診断センター長
出身大学(教室)・卒業年 岩手医科大学(岩手医科大学臨床病理)・昭和61年
所属学会・資格等 日本病理学会(病理専門医・研修指導医・学術評議員)、日本癌学会、日本臨床細胞学会、日本肺癌学会、日本乳癌学会、日本泌尿器腫瘍学会
氏名 西谷 匡央(にしや まさお)
役職名 病理診断科長
出身大学(教室)・卒業年 岩手医科大学・平成24年
所属学会・資格等 日本病理学会(病理専門医・分子病理専門医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本癌学会
氏名 佐熊 勉(さくま つとむ)
役職名 参与
出身大学(教室)・卒業年 弘前大学(岩手医科大学病理学第2)・昭和54年
所属学会・資格等 日本病理学会(病理専門医・研修指導医)、日本臨床細胞学会(細胞診専門医・指導医)、日本臨床検査医学会(臨床検査専門医・臨床検査管理医)
氏名 八重樫 弘(やえがし ひろし)
役職名 参与
出身大学(教室)・卒業年 東北大学歯学部(東北大学抗酸菌病研究所病理学部門)・昭和59年
所属学会・資格等 日本病理学会(口腔病理専門医・研修指導医・学術評議員)、日本臨床細胞学会(細胞診専門歯科医)、日本臨床口腔病理学会、日本肺癌学会、日本乳癌学会、ヨーロッパ病理学会、英国王立顕微鏡学会(Fellow)、東北大学歯学部非常勤講師
氏名 千場 良司(ちば りょうじ)
出身大学(教室)・卒業年 東北大学歯学部(加齢医学研究科病態、臓器構築研究分野)昭和62年
所属学会・資格等 日本病理学会(口腔病理専門医・研修指導医・学術評議員)
氏名 佐藤 直実(さとう なおみ)
出身大学(教室)・卒業年 東北大学・平成21年
所属学会・資格等 日本臨床細胞学会(細胞診専門医)、日本病理学会(病理専門医、研修指導医、学術評議員、分子病理専門医)、日本臨床内分泌病理学会
氏名 伊藤 勇馬(いとう ゆうま)
出身大学(教室)・卒業年 弘前大学・平成29年
所属学会・資格等 日本病理学会(病理専門医)、日本臨床細胞学会(細胞診専門医)、日本癌学会

【診療内容】

病理診断科では、患者さんから採取した病変(組織)から標本を作製し、顕微鏡でその病気が何であるかを診断する、病理診断を行っています。病理診断は依頼した主治医に報告され、今後の治療に生かされます。

【組織診断】

・生検組織診断:病変の一部を採取し組織診断します。生検組織診断により、治療が必要なのか、手術が必要なのか、など今後の治療方針が決まります。

・手術で摘出された組織の診断:肉眼観察により病変の見た目(形や色、大きさ、広がりなど)を観察し、診断に必要十分な組織を切り取り(切り出しといいます)、標本を作製します。切り出し後の標本作製は、臨床検査技師が行います。臨床検査技師は国家資格です。出来上がった標本を観察し、改めて診断をするとともに、病変の広がりについて検討します。

【細胞診断】

病変部を擦る、液体を吸引する、細い針を刺すなどして細胞(を含む液体)を採取し、スライドガラスに塗ったり、ガラスの上で潰したりして標本を作製します。作製した標本中に、がんを考える異型細胞がいるかを診断します。細胞検査士の資格を有する臨床検査技師と病理医とが協力して細胞診断を行っています。生検組織診断と比べて検体採取の負担が少ないのが特徴です。

・迅速細胞診:代表的なものとしては、手術中に腹水を採取し、細胞診標本を作製し診断をするものがあります。腹水中に悪性の細胞がいた場合、疾患によって病気の進行度(病期)の決定に関わるものもあり、治療方針に大いに影響します。

・Rapid on-site evaluation (ROSE):からだの深い場所にある病変(肺癌、膵癌、胃粘膜下腫瘍など)の場合は、病変を採取する負担が大きく、また病変を直接視認できない場合は十分な組織が採取できない可能性もあります。ROSEでは、細胞検査士と病理医が検体採取に立ち合い、検体の一部を細胞診標本としてその場で確認し(on-site)、「検体の質と量」 についてその場で評価するものです (rapid, evaluation)。それにより、一回の検査で診断に十分な組織が採取されることを期待しています。検体採取に一定の負担を伴う以上、その負担を上回る診断を心がけています。写真はROSEで使う機器や道具です。モニター付き顕微鏡を使うことで、複数人が同時に細胞像を確認できます。それにより、評価に要する時間が短縮できると考えています。また、検体採取医にも、どのような細胞が採取されているかを示すこともできます。

【術中迅速診断】

病変の切除範囲の決定や、手術の方法の決定、あるいはからだの深い場所にある病変の診断に役立ちます。通常の標本作製には数日かかりますが、それとは異なる手法で凍結標本を作製し、手術中に診断をします。

 

【テレパソロジーによる術中迅速診断(遠隔病理診断)】

術中迅速診断は、病理医がいる施設でしか出来ません。しかしながら、病理医は全国的に不足しており、常勤病理医が不在の病院は少なくありません。作製した標本をデジタル化することで、病理医がいない病院でも、遠隔地にいる病理医に診断を依頼することが出来ます。当院では、県立宮古病院、県立千厩病院、県立磐井病院などからの依頼を引き受けています。

 

【病理解剖と臨床病理検討会】

ご遺族の承諾のもとに、病気で亡くなられた患者さんのご遺体を解剖させていただくのが病理解剖です。生前の診断や病気の進み具合、治療効果の程度や死因についてなどを検討します。解剖を承諾されたご遺族のご厚意に報いるためにも、患者さんの診療にあたっていた臨床医と病理医が集まり、臨床病理検討会 (Clinicopathological conference; CPC) を行っています。CPCは、患者さんの診療について振り返り、学びを得るこの上ない機会であると考えています。

 

【ほかの診療科との連携】

ほかの診療科と定期的にカンファレンスを行っています。術後症例では、術前の画像と手術で摘出した病変の肉眼および組織所見を対比することで、患者さんの役に立つ医療の実践を心がけています。定期的にカンファレンスを行っている診療科は、血液内科、産婦人科、乳腺・内分泌外科です(2024年4月現在)。

 

【病理診断科内での勉強会】

火曜日の朝に、病理医と臨床検査技師とが一緒になって勉強会を行っています。情報を互いに共有し、診断を振り返ったり、難解例をともに検討したりすることで、継続した学びの機会としています。

 

 

診療実績

 

検体受付から診断報告までの所要時間をターンアラウンドタイム(turnaround time; TAT)といいます。当院では、手術検体には消化管内視鏡手術検体(EMR, ESDなど)を含んでいます。TATの目安を米国病理医協会 (College of American Pathologists; CAP) の検査室認定プログラムが提示しています。たとえば消化管生検検体で、特殊な検索(特殊染色や免疫組織化学など)を必要としない症例では、2営業日以内(休日を含まない)が望ましいとされています。当院ではCAPの検査室認定は受けておりませんが、2023年のTAT(生検)は、休日を含まない営業日換算の場合は1.70です。※2023年の平日数は247です。それを365で除した0.6767を2.52に乗じて補正しました。

 

組織診の件数は年間8,000から9,000件ほどで推移しています。検体の種別は多岐にわたり、消化器(内科・外科)、産婦人科領域、乳腺および甲状腺、呼吸器(内科・外科)、泌尿器、骨髄、リンパ節、皮膚、軟部、頭頚部領域、中枢神経領域、循環器領域(内科、外科)などが提出されます。

 

手術検体では複数のブロックを作成することが多いです。その数は年間35,000-40,000個で推移しています。診断にはHE染色標本が基本ですが、疾患の分類には免疫組織化学や特殊染色も必須であり、件数は増加の一途をたどっています。

 

手術中に診断をする術中迅速診断の件数です。院内は400件前後で推移しています。病理医が不在の病院ではテレパソロジーにより支援しています。テレパソロジーによる術中迅速診断の件数は、2023年には68件と増加傾向にあります。

 

細胞診断の件数自体は減少傾向にあります。しかしながら、病期(病期の進み具合)を手術中に決定しうる迅速細胞診や、2019年から開始した、検体採取に立ち会うROSEの件数は増加傾向にあります。これらはいずれもその場で迅速に診断をすることが求められます。また、体腔液などの細胞診標本で異型細胞が見られた場合、その分化を推定するために液体からセルブロック標本を作製し、免疫組織化学的検討を加えた病理組織診断を行うことも可能です。このセルブロック標本も増加傾向にあります。全体の細胞診断件数こそ減少していますが、迅速細胞診やROSE, セルブロック標本など特定の項目が増加していることを鑑みると、細胞診の需要はむしろ高まっており、その利点を組織診と相互に補完し合っていると言えます。

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