2024年度を迎えて

院長 宮田 剛

 

 日差しも春めいて、岩手山の残雪をまぶしく照らす爽やかな季節となりました。令和6(2024)年度の初めに当たり、ご挨拶を申し上げます。

 4年間にわたり、人の心や行動様式も一変させた新型コロナウイルスパンデミックも出口が見え、街にも笑顔と活気が増えてきたように感じます。長い自粛生活が続きましたので、暗くて寒い冬が明けることにも重なり喜ばしい気持ちです。

 世界的な高齢化社会、特に日本で先行する少子化からの働き手人口の減少は、デジタル技術の有効活用による様々な合理化(DX)を必要としています。少ない人手でも様々なプロセスが可能となるDXは、利便性が向上するはずですが、利用者側の慣れや習熟を要する面もあり、導入プロセスの課題でもあります。医療界、特に岩手県での医療人材不足は深刻で、この4月から始まった医師の働き方改革とも相まって、働き手の負荷をかけずに業務を合理化し、医療・看護の核となる部分に温かみのある人のエネルギーを集中しなければなりません。試行錯誤しながらも新時代の病院体制を構築してまいりますので、どうぞご理解とご協力を頂ければと思います。

 コロナ禍を経て県民の皆様の健康観にも変化を感じます。また国が考える未来型医療として、マイナ保険証、電子処方箋などの普及で、自分で自分の健康状態や内服薬についての情報を得られる時代を目指しています。この変化する時代の中で当院も、救命救急センターとして、また地域がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センターとして、頼りになる高度急性期医療を提供していけるように進化してまいりたいと思います。

 

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