小児外科

 

氏名 島岡 理(しまおか さとる)
役職名 小児外科長
出身大学(教室)・卒業年 東北大学(東北大学小児外科)・昭和58年
所属学会・資格等 日本外科学会(外科専門医・認定医)、日本小児外科学会(小児外科専門医・評議員)、東北小児肝胆膵消化器研究会(評議員)、東北大学医学部小児外科臨床教授
氏名 山木 聡史(やまき さとし)
出身大学(教室)・卒業年 日本医科大学(東北大学小児外科)・平成18年
所属学会・資格等 日本外科学会(外科専門医)、日本小児外科学会(小児外科専門医)、日本移植学会、日本静脈経腸栄養学会

診療内容

小児外科では、新生児(生まれたばかりの赤ちゃん)から原則的に16才未満までの骨疾患、脳疾患、心疾患を除いた外科的疾患を扱います。つまり、呼吸器(気管・肺など)・消化器(食道から肛門までの消化管・虫垂・肝臓・膵臓など)・その他のお腹の中の臓器(腎臓・脾臓など)・皮膚軟部組織(皮膚・皮下・筋肉など)などの外科的な病気、腫瘍などを治療します。また、泌尿器系疾患例えば包茎、停留精巣、鼡径ヘルニアなども扱います。

ここで気をつけなければならないのは「こどもはおとなのミニチュアではない」という事です。こどもはおとなに比べてからだが小さく、とくに新生児・未熟児では非常に繊細な手術のテクニックが必要です。おとなの手術と同じ方法ではこどもの手術は行えません。それよりも大事なのは、こどものからだはおとなのように完成したものではないという事です。当然のことながら疾患そのものも大きく異なります。肺・腎臓・肝臓など身体のあらゆる臓器が発育の途中にあり機能が未熟です。また身体の機能の調節のしかたもうまくありません。しかも発育に伴ってこれらの機能はどんどん変化してゆきます。このようなこどもの特徴を十分に知った上で手術前後の治療をしなければなりません。薬の使い方・点滴のしかたなどあらゆる面でおとなの常識は通用しません。これが小児外科が独立した大きな理由です。また身体の発育だけでなく、こどもは精神的・心理的にも発育の途中にあり、この点も十分に考慮しなければなりません。手術というこどもにとっては、大きな試練を無事に乗り切るための精神・心理的な援助も小児外科は考えています。

こどもについての専門的な知識を持った外科医、それが小児外科医であり将来を担うこども達を誇り情熱を持って治療していきます。

小児期の病気を治療するので患者さんはこども中心になるのは当然です。しかし、おとなになってからでも、こどもの時の手術が関係する病気は小児外科医が診る必要があります。小児外科で手術する病気については、成人外科医や内科医はほとんど知らないといってよく、その病気の特性についての理解が十分にできないからです。小児外科の技術が進歩し、歴史が深まるにつれて、こどもの時に手術を受けたおとなが増えてきています。

以下に小児外科で扱う主な疾患について列挙します。

1.出生直後の外表異常 臍帯ヘルニア

  • 腹壁破裂

2.出生直後の腹部膨満及び嘔吐 胃破裂

先天性十二指腸閉鎖症、狭窄症

  • 先天性腸閉鎖症、狭窄症
  • 腸回転異常症
  • 胎便性腹膜炎
  • ヒルシュスプルング病
  • 鎖肛

3.出生直後の呼吸困難 横隔膜ヘルニア先天性食道閉鎖症

  • 種々の肺疾患

4.主に乳児期以後に発症するもの 肥厚性幽門狭窄症

  • 腸重積症
  • メッケル憩室
  • 胃食道逆流症

5.肝・胆道系 胆道閉鎖症

  • 胆道拡張症
  • 膵臓、脾臓の外科的疾患
  • 門脈圧亢進症に対する各種治療

6.腫瘍 <良性群>

  • リンパ管腫
  • 血管腫
  • 脂肪腫
  • 奇形腫
  • 卵巣嚢腫
  • <悪性群>
  • 神経芽細胞種
  • Wilms腫瘍
  • 黄紋筋肉腫

7.その他頻度の多い疾患 鼡径ヘルニア

  • 陰嚢水腫
  • 停留精巣
  • 真性包茎
  • 急性虫垂炎
  • 臍炎
  • 臍ヘルニア
  • 肛門周囲膿瘍
  • 頚部痩孔
  • その他小児消化器外科疾患

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