がん化学療法科

スタッフの紹介
氏名
加藤 誠之(かとう さとし)
役職名
がん化学療法科長
出身大学(教室)・卒業年
東北大学(加齢医学研究所、癌化学療法研究分野(東北大学病院、腫瘍内科))・平成3年
所属学会・資格等
日本臨床腫瘍学会(がん薬物療法専門医・指導医・協議員)、日本内科学会(認定内科医・総合内科専門医・指導医)、日本がん治療認定医機構(がん治療認定医・暫定教育医)、日本消化器病学会(消化器病専門医・指導医)、日本消化器内視鏡学会(消化器内視鏡専門医)、米国癌学会(正会員)

診療内容

当科は2006年4月に開設されました。症例数の増加に伴って、外来化学療法室が手狭になり、2006年当時の8床から、12床、18床と徐々に増床し、2010年には、30床の外来化学療法室が新設されています。がん化学療法科とともに新外棟に設置された外来化学療法室は、個々のベッドがプライバシー確保のためパーテーションで仕切られた形になっており、景観的に庭に面した設計となっています。 

開設以来、3000名近くの新患紹介をいただき、主に消化器癌の化学療法の分野を担当しています。開設当初は、がん化学療法に特化した看護師、薬剤師の専門職も揃っておりませんでしたが、現在では、がん化学療法認定看護師、がん看護専門看護師、がん専門薬剤師、がん化学療法認定薬剤師といった専門性の高いスタッフにも支えられて、質の高い医療が提供できるようになってきました。分子標的薬の重要性が増しており、それに伴って副作用対策なども多職種で対応しているところです。 

新渡戸稲造記念・がん哲学外来、メディカル・カフェを2011年から開設し、精神面でのサポートに力を入れております。2012年に勇美記念財団からの研究助成を受け、がん哲学外来の成立要件に関する研究を行いました。その成果は、『がん哲学外来メディカル・カフェの手引き』として国内で広く活用されています。新型コロナ肺炎の流行により、現時点では休止しておりますが、新型コロナ肺炎の収束を待って、国内で少ない、定期開催のがん哲学外来を再開する予定です。 

また、医療意思決定に関わる問題にも取り組んでいます。適切な治療選択のためには、意志決定の問題が避けて通れません。世界的に見ても、医療分野での意思決定は研究が進んでいる領域とは言えませんが、2017年にファイザーヘルスリサーチ振興財団からの研究助成をいただき、『医療分野での意思決定』という課題で国内多施設共同研究行いました。その結果、患者さん、御家族、医療者で意思決定に関わるヒューリスティックな歪みが異なることが明らかになっています。 

スタッフと患者さん、ご家族とのコミュニケーション・ツールとして、毎月、ニュースレター「ほほえみ」を発行しており、新薬の承認情報や、化学療法中の日常生活上の注意、スタッフの紹介などを行っております。バックナンバーは、このホームページから見ることができます。お時間のある際にでも、ご覧になっていただければ幸いです。 

当科は基本的に治療を担う診療科ですが、診断が難しい例や原発不明癌のご紹介をいただくことも多く、病理科との討議を繰り返しながら総合的に診断を行うことで、確定診断が得られたり、診断および治療方針が変わる場合もあります。いわゆるドクターズ・ドクターの役割であり、当院のような全がん協病院にあっては重要な意義をもつものと考えておりますので、お気軽にご相談をいただければと存じます。

 

当科の外来診療

充分な時間を割き、正確な診療情報の提供とインフォームドコンセントを徹底します。説明内容は書面で患者さんへお渡ししています。当科専門領域のセカンドオピニオンの要望にも対応します。

胃癌
mFOLFOX6+ニボルマブ療法、カペシタビン+シスプラチン+トラスツズマブ療法などを一次治療とし、ラムシルマブ+バクリタキセル療法による二次治療や、ニボルマブ、イリノテカンを用いた3次治療以降の実施も数多く施行しています。
大腸癌

オキサリプラチン、イリノテカンベースの化学療法に、血管新生阻害剤や抗EGFR抗体薬を併用した標準治療を数多く施行しています。化学療法の強度設定、切り替えのタイミングなど、単にその治療が診療ガイドラインに書いてあれば良いという考え方ではなく、その方が許容できる最大の治療強度を目指しながら診療に当たっています。サルベージ療法も、レゴラフェニブ療法、ロンサーフ+ベバシズマブ療法など多数経験しております。

食道癌

消化器センターと毎週カンファレンスを重ね、術前化学化学療法を担っており、また放射線治療科とも連携しながら根治を目指したシスプラチン+5FU併用放射線化学療法を行っています。放射線化学療法に関しては、多くの期間を外来通院で行っています。進行・再発食道癌に対し、5FU+シスプラチン+免疫チェックポイント阻害剤の併用療法を施行してます。

膵臓癌

膵癌の化学療法は、ゲムシタビン+ナブバクリキタセル療法や、mFOLFIRINOX療法が標準療法となり、効果の増強と共に副作用の管理が重要となっています。全身状態や年齢なども考慮し、その方にあった治療をご提案できるよう心がけております。消化器センターとの連携で、ティーエスワン+ゲムシタビン療法、ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法による術前化学療法の件数も増えています。

胆道癌

胆道癌ではゲムシタビン+シスプラチン療法が標準治療です。胆道癌の化学療法は、副作用管理もさることながら、胆道感染を来たしやすい病態が背景にあるため、胆道ステントなどの胆道ドレナージを併用しながら、治療に当たっています。

神経内分泌癌

神経内分泌癌は、病理組織型や、核分裂像を指標に悪性度の評価が行われますが、当科では、低分化の場合のプラチナ系併用の化学療法、高分化なタイプのソマトスタチンアナログの療法やアフィニトール療法などの経験症例も多くあります。

 

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