周産期医療
「周産期」とは、妊娠22週から生後満7日未満までの期間をいい、周産期医療とは、妊娠、分娩に関わる母体、胎児管理と出生後の新生児管理を主に対象とする医療です。
妊娠中はいろいろな生理的変化が生じ、母体の合併症を悪化させたり、胎児に影響を与えたりする可能性があります。また、正常な経過をたどっていた妊娠でも、早産の傾向が出現したり、分娩中に、母体、胎児に緊急な事態が発生することがあります。突発的な緊急事態に備えて産科・小児科双方からの一貫した総合的な体制が必要なため、地域における総合的な周産期医療体制が整備されています。その整備の一環として、各地域には、周産期母子医療センターが設置され、総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターがあります。当院が認定されている地域周産期母子医療センターとは、産科・小児科(新生児)を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を常時担う医療機関のことです。
当院では、「小児科・小児外科・産婦人科」で構成する小児・周産期センターを設置しています。また、岩手県の地域周産期母子医療センターとして、周産期に係る比較的高度な医療を提供しており、当病院が多数の診療科を有していることから、合併症のある妊婦の対応も可能となっています。盛岡医療圏をはじめ、県内の他施設からの母体搬送を24時間受け入れています。産科病棟は、切迫流早産や合併症ある妊婦さんが常時20~25名ほど入院しており、また、24時間体制で帝王切開の対応も可能です。
小児新生児科は、現在6床のベッド数ですが、在胎30週以降の新生児管理が可能です。
また、小児外科も併設しており、他院からの搬送も受け入れて、新生児期の外科治療も行っています。
小児・周産期センターでは毎週月曜日、カンファランスを行っており、入院中の妊産婦、新生児のほか、岩手県の総合周産期母子医療センター(岩手医科大学附属病院)に所属する周産期救急搬送コーデイネーターの情報をもとに、他施設からの搬送予定症例も検討しています。当該施設との連絡を密に行っており、相互のベッド状況により、当該施設の入院患者様も引き受けます。
産婦人科は、婦人科領域として、良性腫瘍、悪性腫瘍の診断から治療(手術、薬物療法)まで、婦人科疾患を多岐にわたって行っており、また、子宮外妊娠や卵巣出血、卵巣茎捻転などの緊急手術を必要とする症例をはじめ、救急搬送も受けています。
当センターでは、岩手県の地域周産母子医療センターとして、また、医療法に定める地域医療支援病院として、積極的に患者様を受け入れ、高度な医療技術を提供し、患者様をサポートしていきます。