高度医療
- 高精度放射線治療(IMRT.SRT.SRS.SBRT)
- 胸腔鏡下肺葉切除(VATS10 bectomy)
- 腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)
- 植込型補助人工心臓による重症心不全の治療(VAD)
- 弓部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(TEVAR)
- 脳神経超音波
- 植込み型心電図記録計(ICM)
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
- 経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)
- 悪性消化管閉塞に対する金属ステント留置術(EMS)
- 皮下植込み型 除細動器(SICD)
- リードレスペースメーカー
- 心房細動に対するクライオバルーンアブレーション
- 内視鏡を使った外科手術
- 血栓溶解療法(t-PA静注療法)
- 血管内治療(血栓回収療法)
血管内治療(血栓回収療法)
急性期脳梗塞に対する血栓回収療法
t-PA静注療法は急性期脳梗塞に対して有効な治療法ですが、脳に栄養を送る太い血管が詰まってしまっている場合、詰まっている血の塊(血栓)が溶解しにくいため、症状の改善が乏しいことが知られています。
2015年にオランダから、脳梗塞になったばかりの患者さんに対して、血管の中からカテーテルという管を詰まった血管まで持って行き、金属の筒「ステント」で太い血管に詰まった血栓を積極的に回収するいわゆる、脳血管内治療による血栓回収を行った場合(写真1)、t-PA静注療法を含めた内科治療のみの患者さんよりも有意に3か月後に歩ける患者さんが増えたという論文が発表されました。その後、似たような研究論文が4つ続けて出ました。結論をまとめると、脳の太い血管が詰まった重症脳梗塞の場合、カテーテルから血栓を積極的に回収した方が、3か月後に自力で歩け家庭復帰できる患者さんが約50%と多くなる(内科治療のみより20%増加)という結論となりました。
これらの結果を受けて本邦の脳卒中ガイドラインでも、太い血管が詰まった場合は、発症6時間以内に血栓を取り除くカテーテル治療は開始することが強く勧められる治療に位置づけられました。
当院は、脳神経外科と神経内科の脳血管内治療チームにより脳に詰まった血栓の回収を24時間、365日対応できる施設です。しかし、ここで大切なことは、この治療を受けられるのは発症してから間もなくの患者さんであることと、詰まった血管が再開通までの時間が短ければ短いほど症状の改善が期待できるということです。
脳梗塞が疑われたら、躊躇せず救急車を呼んでください。